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俳句同好会 第19回句会報告

更新日:2015年5月4日

報告 宮本

日 時:平成27年4月20日(月)18:00より
場 所:事務局地下会議室にて
出席者:春田風遊子、安藤猪突庵、馬鳥笑馬、片岡正行、三浦実光、宮本瓢六(6名)
選句のみ・・・竹内良為山、馬鳥恵子

兼題:「風光る」「水温む」「貝一般」  題詠「音」
投 句 選 者 作 者
風光る袴姿の女子大生 瓢六・風遊子・猪突庵・実光 正行
水車小屋音柔らかく水温む 猪突庵・実光・正行・恵子 風遊子
白木蓮散って踏まれぬ気品かな 笑馬・風遊子・実光 瓢六
ながらえて病室の窓光る風 風遊子・笑馬・正行 猪突庵
腕捲り浅蜊狩る子の笑顔かな 瓢六・実光・恵子 正行
 

投句は36句と少なかったですが、上記以外にもすばらしい句がありましたので、宮本選の句とその鑑賞文を載せさせていただきます。

特選
母の里桑の葉擦れの音ばかり   風遊子
作者は都会に住んでいる。久々に訪ねた母の故郷は昔ながらの風景が残っている。今では大分少なくなった桑畑が家を取り囲んでいる。聞こえてくるのは桑の葉が擦れ合う音だけである。貧しくも逞しい養蚕農家と母への感謝がある。

朝寝して妻の野菜を刻む音    猪突庵
寝床の中で妻の朝の台所の音を聞いている。平和な家庭と金では買えない安楽の時間を満喫している。妻への感謝と愛情が感じられる句である。

腕捲り浅蜊狩る子の笑顔かな   正行
一見平凡な句であるが、健康な子供の成長を心から喜んでいる作者がいる。浅蜊という宝を得た子供の得意顔と腕捲りした頼もしさが素直に表現されている。

俳句は投句した後は作者の手を離れ、読者のものとなるといわれています。
時として作者の意図しない解釈がなされても、それはそれで句の力であり、広がりであります。そのときは、もう作者はだれかということは関係なくなります。読者がいかに鑑賞できるかは、読者自身の鑑賞力によるものであり、作句力に通じるものがあります。
名句といわれる句を沢山読んで句力を養ってください。

次回 6月22日(月)18:00より 事務局地下会議室にて
兼題:「五月雨」「さくらんぼ」題詠「色」その他計6句

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