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 私は、妻と男子2人の4人家族です。家族が形成されていく過程に於いて、先ずは妻との出会いがはじまりでした。
 それは、平成2年の秋頃だったと思います。当時、私は米国加州にあるサンタモニカエアポート(SMC)の中にいくつかある航空会社の中でも唯一日本人が経営する弱小のビジネスジェットのチャーター会社ガネルアビエーションジャパン(社長1人と秘書1人計2名)という会社で昼はフライトトレーニングを行ない、夜は観光用のナイトフライトツアーの仕事をしていました。
 ナイトフライトツアーの目玉というと、ロスアンジェルスのダウンタウンの夜景をフライトで楽しみ、その後飛行機のままで乗りつけるレストラン「DC3」というお店で食事ができるということでした。このお店はとてもステータスが高くなかなか予約できないお店で、一般のツーリストではほとんど予約が難しくこのナイトフライトに申し込むことによって、このお店で食事も出来るということも実のところ大きな特典でもありました。しかし半年が経過した頃、実際に利用したツアー客のほとんどが目玉であるDC3について全く知らないことがわかりました。DC3の情報については、当初のパンフレットには丁寧に記載していましたが、認知が低いようなので簡略化し定休日の有無についても然程影響がないと思い省略しました。定休日については、当日のツアーへ参加されたお客様に対してその都度フライト後に「今日は、DC3がお休みですので、代替店のヴェニスジャヤというお店をご案内致します。」と言う感じでご紹介していました。
 DC3の有無に関わらず非常に満足頂いていたので、旅行会社からも紹介客が日増しに増えていました。要するにナイトフライトを楽しみその後ディナーが付いているツアーということで十分に機能していたわけです。
 しかし、ある平成2年の秋頃の火曜日でした。女性2名で2組の予約が入っていました。(当時の顧客層の大半は女性同士2人1組みで、特に西日本からが多かった)最初の1組目を無事に終え、2組目も同じくいつもの様に軽快にフライトを終えました。いつもの様に非常に感動していて、この後は大体パイロットと一緒に記念写真を撮影したり飛行機のことについて質問を受けたりという感じでフライト後のアフターサービスをしていました。
 その後私はパイロットと一緒に飛行機を点検しながら談笑をしている頃、フライトの興奮冷めやらぬ満足そうな表情のお客様のところへいつもの様に社長から「今日は、DC3がお休みですので、代替店のヴェニスジャヤというお店をご案内致します。」と申していたようでした。すると社長が青ざめて私のところに駆け寄ってきました。
 「不味いよ、いまフライトを終えた彼女たちが、私たちはナイトフライトよりもDC3で食事が出来るということが楽しみでこのツアーに申し込んだので、ヴェニスジャヤでは困るって言っているんだよ。どうしよう・・・。」
 ツアーを企画して半年、折角起動に乗ってきている矢先に、この様なことが表面化したら、旅行代理店に対して約束不履行で紹介が減るのではないかと、初めてこの様なクレームを言われたことで社長が結構動揺していました。そうは言ってもお客様はクレームに対しての回答をロビーで待っています。どうしよう、どうしよう、と言う感じでしたが、先ずは誠意を第一に伝えようということで「今日はお店が休みですので、どうしてもご案内が出来ません、いつまでご滞在ですか、明日でしたら必ず予約を取ります。」と申し入れ、先ずは次の日お店にご案内するということで話がつき、ついでにロスでの観光が何も決まってないという事だったのでそれなら観光で行けない様な所をご案内しますということで話がまとまりました。ロスは、交通インフラが発達していないので、車がないと不便であり、観光客が行ける範囲というと、決まったところしか行けないことや、ダウンタウンや高級住宅地、景観の良い場所、映画の舞台になった場所、スペシャルなバーやクラブ等、観光で行けない場所が沢山あり、結局は結構4人で盛り上がってドライブしたり食事をしたりして仲良くなってしまったのが、今の妻なのです。
 それから平成3年の夏に帰国し、日本で再会し平成5年6月19日に結婚することに成りました。

結婚式平成5年6月19日 於:全日空ホテル


 翌年平成6年3月1日に長男慎太郎が誕生しました。家族3人仲良く暮らしていると、突然病が妻を襲い、妻は病院に入院し、入院中に長男も病気に成り同じ病院に入院するなど、この時期は仕事に加えて家庭のことでも気が休まることがありませんでした。色々とありましたが、平成11年11月17日に次男有太郎が誕生しました。子どもが居ると、毎日がとても賑やかで楽しく家庭内は活気があります。しかし、健康のこと、勉強のこと、友達関係、進学のこと他課題も山積です。考えてみるとあっという間に月日が経過した気がします。


長男:慎太郎  次男:有太郎


 子どもが幼い頃は気苦労も多くありましたが、よそ様のヨチヨチ歩きの子どもを見ると懐かしいな、またあのような子どもを抱っこしたいな、添い寝をしたいななどと思うことがあり、子どもの成長が嬉しい反面寂しい気持ちにもなります。
 子どもを見ていて感じるのは、容姿が自分に似ているのは、結構そこそこ嬉しいのですが、内面的な負の部分で自分に似ているところを見ると、気の毒だな、申し訳ないな、と思い遺伝子というものを強く感じますし、少しでも善い方向へという是正に力が入ります。
 家族に与えているもの、家族から与えられているものは何か、について、ふと考える時、共同生活をしている上で、それぞれに多くの役割があり、お互いが生活面と精神面を支えあっているものだと思います。
 それは、本当にお互いを信頼し慈しむ心が湧くことと、無償の愛を知るところです。打算や見返りではなく、無償の愛というものの感覚を一度知るということは人間の成長の中での大きなプロセスであると思います。
 家族は私にとって、全てに対する動議付けであり、未来への希望です。

 私は、家族が大好きです。



2009年1月1日元旦 於:ホテルニューオータニ