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1.非正規雇用者とは
 契約社員やパートタイマーなどのように、正社員とは異なる雇用契約で働いている人がいます。非正規雇用者と言われている人がこれに当てはまり、一般にいう正社員と比べて、労働時間や労働日数の短い社員のことをいいます。その人数は、全労働者の3割を越すようになりました。その労働条件の整備に関して、注目が集まっています。

2.労働基準法の適用
 経営者のなかには、非正規雇用者に関しては、労働基準法が適用されないと考えている人がいますが、大きな誤りです。正社員と同様に労働基準法は適用され、さらにこの人達の保護をする観点からパートタイム労働法が設けられています。

3.パートタイム労働法の改正
 この4月から改正パートタイム労働法が施行されます。そのポイントは、次のとおりです。

 (1) 昇給、退職金、賞与の労働条件の明示
経営者はパートタイム労働者を雇用する際に、「昇給の有無」「退職金の有無」「賞与の有無」を文書で明示しなければなりません。つまり昇給、退職金、賞与を支給しないのであれば、その旨を文書で通知しなければならないわけです。これに違反して行政指導によっても改善されない場合、10万円の過料に処せられますので、注意が必要です。
 
 (2) 待遇に関して考慮した事項の説明
 経営者は、パートタイム労働者から求められたとき、そのパートタイム労働者の待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明することが義務づけられます。

 (3) 待遇の決定
 パートタイム労働者の働き方は、正社員と同様の業務に従事している場合や一時的な場合等、様々です。そこで経営者は、パートタイム労働者の待遇を正社員との相異に応じて、バランスを図るようにしなければなりません。
 具体的には職務内容、人材活用の仕組みや運用、契約期間の三つの要件が、正社員と比べて同じかどうかによって、賃金、教育訓練、福利厚生などの取扱いを決めなければなりません。

 (4) 正社員への転換のチャンスの付与
 パートタイム労働者に対して、正社員への転換する仕組みを導入することが義務づけられます。なお個々のパートタイム労働者を正社員にしなければならないという意味ではなく、その仕組みの導入が義務づけられるという意味です。

 (5) 苦情、紛争の解決の仕組み
 経営者は、パートタイム労働者から苦情の申し出を受けたときは、社内で自主的な解決を図ることが義務づけられます。

 以上が改正パートタイム労働法のポイントですが、非正規雇用者の労働条件の改善に向けて、経営者は対応しなければなりません。